「彫刻家の娘」が、内省的で幻想的とすれば
「少女ソフィアの夏」Sommar boken は、ワイルド。
22編のおばあさんと孫娘の物語。
冒頭の最初の2ページで、私は椅子から落っこちそうになった。
これは、もうトーベでなければ書けないと思った。
(内容は書かないよ~。
これから読む楽しみのために。)
誰もがお気に入りの一編を見つけると思う。
私は「おとなりさん」が受けに受けてしまった
原題の Sommar boken ー夏の本。
「わたしの書いたもののなかで、もっとも美しい作品」とトーベは言っている。
この本が出版されたのは、1972年。
トーベが 1970年に最愛の母親ハムを失って、夏の光の中に、何かを、トーベが愛したものを記して行ったような、確かに美しい Sommar boken。
「彫刻家の娘」は、大人向けというトーベの意思で挿絵を入れなかったけれど、こちらは挿絵が17点。
猫のマッペ 「猫」より
本全体も、とても余白の感じがのびのびして、訳も生き生きしている。
本当におすすめの一冊です。