[村上さんのところ/村上春樹 期間限定公式サイト] から 北欧のこと

村上春樹さんの "REPLY" から、北欧関連のことです。

ハメーンリンナ。

 はい、行かずに書きました(笑)。地図だけ見て、適当に書いたんです。小説を書いたあとで(出版される前に)行ってみて、あちこち見てまわったんだけど、想像とだいたい同じだったのでほっとしました。ただ樹木の種類だけは違っていたので、そこは書き直しました。それから僕が想定していた湖沿いの道路がなかったので、その部分も書き直しました。広場のシーンも実際にあわせて少し改変しました。

いちばんびっくりしたのは、僕がヘルシンキで借りたレンタカーがたまたま紺色のフォルクスワーゲン・ゴルフだったこと。小説とまったく同じだったんですよね。「え!」と驚きました。そういうことがあるんだ。不思議です。


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四月には中央公論新社からノルウェイの作家

ダーグ・ソールスターの『NOVEL 11, BOOK 18』の翻訳が出版される予定です。

この小説、面白いですよ。前衛なのかコンサバなのかまったくわからないという、かなりいけてる小説です。オスロにいるときにこの小説を発見して、ぶっ飛びました。残念ながら僕はノルウェイ語ができないので、英語からの重訳ですが、それでも楽しむぶんにはぜんぜん問題ないと思います。気に入ってもらえると嬉しいです。

ダグ・ソルスタというノルウェイの作家の小説

『ノヴェル11、ブック18』という不思議な小説を訳しました。これは四月に出ます。これはおもしろいですよ。

それからカーソン・マッカラーズの名作『結婚式のメンバー』を訳しています。
その次はたぶんチャンドラーの『プレイバック』を訳します。忙しい。自分の小説もそのうちに書きます。フィッツジェラルドはいつか『後期短編集』をまとめたいと思っています。少し時間がかかるかもしれませんが。


NOVEL 11, BOOK 18 - ノヴェル・イレブン、ブック・エイティーン

NOVEL 11, BOOK 18 - ノヴェル・イレブン、ブック・エイティーン

  • 作者: ダーグ・ソールスター,村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2015/04/09
  • メディア: 単行本
  •  
 

結婚式のメンバー (新潮文庫)

結婚式のメンバー (新潮文庫)

  • 作者: カーソンマッカラーズ,Carson McCullers,村上春樹
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/03/27
  • メディア: 文庫
  •  
 

 

その書店、僕も行ったことあります、

大きな書店ですよね。(注:ヘルシンキのアカデミア書店)シベリウスの伝記(英語)を買いました。

ジョン・アーヴィングって、フィンランドのことが好きなんです。ずっと昔、彼と話をしたときにもフィンランドの話が出ました。自分の小説がたくさんフィンランド語に訳されていることを、すごく自慢していました。

今年の秋くらいに旅行記が出ます。

その中にフィンランド旅行のことをわりに詳しく書いてありますので、その本が出るのを待って、よかったら読んでみてください。

フィンランドって昔からけっこう好きです。フィンランド語で歌うエルヴィス曲集とか、いろんなへんなCDも持っています。シベリウスの住んでいた家にも行きました。とても素敵な山荘で、冬期以外は一般公開されています。彼の使っていたグランドピアノもまだ置いてあって、ときどきそこでコンサートをやるそうです。一度聴いてみたいですね。

僕が気に入っている現役のピアニストは

Leif Ove Andsnes(レイフ・オヴェ・アンスネス)です。

ノルウェイの人で、僕は日本とノルウェイで彼のコンサートを聴きましたが、ごりごりしたところのない、上質にパッショネートな演奏で、ぴったり僕の好みです。とくにシューベルトは素晴らしかった。マレイ・ペライヤのシューベルトも良いですが。


Leif Ove Andsnes:5 Classic Albums

Leif Ove Andsnes:5 Classic Albums


はい、ERONENに行きましたよ。(レコード店)

店主とも話をしました。CDも買いました。DIGELIUS MUSICにも行きました。(わりに小さな街なので選択肢は限られています) 
ヘルシンキでは残念ながらLPの収穫はあまりありませんでしたが、フィンランド・ジャズとか、フィンランド語で歌うアメリカン・ロックのCDなんかをけっこう買い込みました。日本に帰ってきて、よく聴いています。

フィンランドのフォークシンガーがフィンランド語で歌っているPPMの「500マイル」とか「レモン・ツリー」なんてしみじみしてていいですよ。まるでフィンランド民謡のように思えます。
ヘルシンキの動物園も楽しかったな。島がひとつ動物園になっていて、港からボートで行くようになっているやつ。

シベリウスの魅力? どういうところ、

と言われてもなかなか一口では言えません。ただなんとなくシベリウスのシンフォニーを聴いていると気持ちが良いんです。どの曲が好きだとか、そういうのもあまり関係ないみたいですね。

1番とか5番とかは比較的よく聴きますが、別に何番でもいい、みたいなところはあります。聴いていると、固有の風景みたいなものが目の前にさあっと浮かんできて、それを雄大な一幅の絵みたいに、ただぼおっと眺めているみたいな。ただその響きを通過させているみたいな。

ドイツ音楽だとつい何かしら考えてしまうんだけど、シベリウスって聴いていて「とくに何も考えなくていい」みたいなところがあります。僕だけの意見かもしれませんが。

うちにはシベリウスの全集がいくつかあります。僕はコリン・デイヴィス指揮・ボストン交響楽団の演奏が昔からけっこう好きです。節度があって、押しつけがましくなくて、好感が持てます。あとはサイモン・ラトルとか、マゼールとか、バーンスタインとか、渡邉曉雄(新旧)とか、ベルグルンドとか。 




僕は一度スウェーデンを車で旅していて、

田舎のドライブインに入ったら、その隅にLPレコードの詰まった段ボール箱が置いてありまして、売り物らしいんだけど、見るとほとんどがジャズのLPで、ゲッツのメトロノーム盤オリジナルなんかがうようよあるんです。

「おお、これは!」と一瞬狂喜乱舞したんだけど、よく見ると中身はぼろぼろで、とても買う気にはなれず、がっかりしました。ふん、ぬか喜びさせるなよな、とか思いますよね。でも街道沿いのドライブインで中古レコードを売っている国もあるんだ、と感心しました。  
 

一時期スウェーデンのジャズに凝っていまして、

Lars Gullinのレコードもずいぶん熱心に集めました。だいたい持っていると思いますよ。この10インチ盤はストックホルムの小さな骨董屋でみつけたものです。店の隅の段ボール箱に入れてありました。店主とあれこれ交渉して、たしか50ドルくらいで売ってもらったと思います。決して安くはないです。珍しいけど。

デンマークの Moen島 のこと

ミュン島はなかなか素敵な島でした。三日くらい滞在したのですが、のんびりと島での生活を楽しむことができました。

でも島といっても、ほとんどの島が橋で行き来できるようになっているんですね。デンマーク各地から僕の本の読者が島に集まってきてくれて、みんなで和気藹々とシンポジウムをやりました。

僕がお世話になったおうちには二匹の猫がいて、毎日その猫たちと仲良く遊んでいました。島をジョギングするのも楽しかったです。車なんてほとんど走っていなくて。また行きたいな。


アイスランドの記事も。

たしかに僕はアイスランドが好きですが、

一度冬場に行ってみないと、住みたいかどうかまではわからないですよね。僕も行ったのは9月のはじめですから。文学祭みたいなのがあって、そこに招待され、そのあとレンタカーを借りてあちこちまわりました。
今年の後半に旅行記みたいなものを出すことになっていますが、そこにこのアイスランド旅行の記事も収められることになると思います。

『コールド・フィーヴァー』という映画を見たことがありますか? アイスランドを舞台にしたとても面白い映画です。
トール・フリドリクソンが監督して、永瀬正敏が主演しました。アイスランドって人の数より精霊や亡霊の数の方が多いってよく言われますが、たしかに「さもありなん」という映画でした。
ジュール・ヴェルヌの『地底旅行』もアイスランドが舞台です。なんとなくミステリアスな土地というか、また行ってみたいな。


村上さんのところ/村上春樹 期間限定公式サイト より