トーベ 小説・短編

『少女ソフィアの夏』と8月

Sommarboken - 夏の本 「おばあさんはいつでも、八月のこの大きな変化が好きだった。あらゆるものがここでなければ、というそれぞれの場所を得ていく、いつも繰り返されていくその様子が好きだったのだろう、人の痕跡が消えて、可能な限り島本来の姿に戻ると…

トーベ・ヤンソン「誠実な詐欺師」 True-Deceiver

「いつものように暗い冬の朝、雪はあいもかわらず降りつづく。灯りのついた窓はひとつもない。 ・・・ここひと月、この海辺の村は降りしきる雪にみまわれていた。記憶をさかのぼっても、これほどの大雪が降ったことはない。扉や窓に吹き寄せ、屋根にずしりと…

トーベ・ヤンソン「彫刻家の娘」初訳 あとがきより

トーベ・ヤンソン「彫刻家の娘」が、香山彬子さんによる初訳で出版されたのは昭和48年(1973年)のこと。すでに山室静訳で、1968年に『トーベ・ヤンソン全集』や『ムーミン』シリーズは出版されていましたが、「彫刻家の娘」はトーベが香山さんに…

「フン、やっぱりプラスチックだ」 と言った、ソフィアの夏のおばあさん 

トーベ・ヤンソン「少女ソフィアの夏」の一編「おとなりさん」 おばあさんとソフィアの会話。「・・・まったく、あのドアだって、とんでもない方向につけたもんだよ。これじゃあ、南西の風のときには、ぜったいにあけられないよ。あそこにあるのがこの家の水…

トーベ・ヤンソン「少女ソフィアの夏」 Sommar boken

「彫刻家の娘」が、内省的で幻想的とすれば 「少女ソフィアの夏」Sommar boken は、ワイルド。22編のおばあさんと孫娘の物語。冒頭の最初の2ページで、私は椅子から落っこちそうになった。 これは、もうトーベでなければ書けないと思った。(内容は書かな…

彫刻家の娘(初訳版) トーベ・ヤンソン 

トーベ・ヤンソンの作品に初めて接したきっかけは、「彫刻家の娘」だった、と思います。 14才の時に読んだのですが、(すっごい、昔・・・)大人向けにトーベはこの本を執筆していますから その年代では、そううまく理解できない。トンボの飛びまわる原っ…